2011年10月18日
都会で味わえないものがここにある!
こんにちは!ツナグチカラです。
緑のふるさと協力隊との共同事業 第11回目!
ヒトの魅力@かわねほんちょう
~目指せ100人! プロジェクト~
~目指せ100人! プロジェクト~
File11 殿岡邦吉さん(民宿 茶どころ)
神東:殿岡さんは実に多趣味だとうかがったのですが・・
殿岡:趣味は陶芸、釣り、狩猟、流木あかりアートなど、さまざまですね。
なかでも陶芸は30年来の趣味で、10年ほど前から陶酔窯という窯で陶芸教室も開いています。
神東:それはかなり本格的ですね! ご自分でも作品を作ったりされるんですよね?
殿岡:はい。自分の作った作品は「民宿 茶どころ」の館内にも展示したりしてますよ。
↑ 玄関先に展示されているカッパの置物。これも殿岡さんの作品。
神東:釣りというのは川釣りのことですか?
殿岡:そうです。昔は全国各地に出かけましたが、最近はもっぱら大井川でアユやアマゴを釣っています。
「民宿茶どころ」の料理で出すアユは、私が釣った天然アユです。これがけっこう評判いいんですよ。
神東:まさに川根本町の自然を生かしたおもてなしですね!
今さらですが、殿岡さんの本業は「民宿 茶どころ」ということでよろしいんでしょうか?
殿岡:はい。うちはもともとは呉服屋や食料品店をやっていたそうで、3代目(先代)が30年ほど前から民宿を始めました。
私は4代目で、今は妻と二人で切り盛りしてますが、水道・電気・大工仕事まですべて自分でやってますよ(笑)
神東:趣味もそうですが、殿岡さんは手先がとても器用なんですね。
本職に加えてたくさんの趣味があって、とてもお忙しいんじゃないですか?
殿岡:自営業なので、時間の融通は比較的つきやすいんですが、それでも時間が足りないくらいです。
実は副業として、20年前から妻と二人でNTT電報配達事務所もやっているんです。
神東:電報配達事務所ですか?
殿岡:祝電や弔電を配達する仕事です。以前は旧・本川根町が担当エリアだったんですが、今は川根本町全体を担当しています。
電報っていつ入ってくるか分からないでしょう? だから家族揃って家を空けることができないんです。
神東:本業に加えて副業まであるなんて!
いろんなことをやりたいのに時間が足りない、とおっしゃるのも無理ないですね。
話は変わりますが「民宿 茶どころ」を始め、川根本町を訪れる人たちにこの町の魅力を伝えるとしたら、どんなところでしょうか?
殿岡:ひと言でいえばスローライフということですね。
この町はのんびりしていて、時間がゆっくりと流れています。
そういう生活文化そのものが一番の魅力だと思いますよ。それって他にはないものですから。
神東:そうですよね。
特に都会から来る人の中には日常生活から離れて自然に癒されたい、と思っている人も多いでしょうね。
殿岡:ただね、最近は日帰りの団体客が多いんですよ。
それだとこの町の本当の魅力を感じられないんじゃないかな。
少なくとも一泊、二泊してのんびり過ごしてほしいです。
神東:昨今は川根本町への観光客もかなり減少していると聞きますが、この状況をどう思いますか?
殿岡:「観光客が本当に何を求めてこの町に来るのか?」をきちんと捉えないといけませんよね。
たとえば、100人の日帰り客よりも50人が一泊してくれたほうがいいと思うんです。
神東:そのほうが宿泊施設も潤うし、より川根本町を満喫してもらえるということですか?
殿岡:そうです。
だから、不特定多数の人にPRするよりも「あなたに来てほしい!」とピンポイントで招待するほうが効果的じゃないかと。
この町を訪れる人には観光地だけではなく、山で暮らしている私たちの生活や考え方を知ってほしいですし、
何より私たち自身が自分たちの生活に自信を持たないといけないでしょうね。
ここには都会では味わえないものがたくさんあるんですから。
神東:では、殿岡さん自身はずっとこの町で暮らしたいと思っているわけですか?
殿岡:私は生え抜きの川根人ですから、ここの生活が合ってるんです。
趣味の釣りや狩猟、流木アートにしてもそうですが、ここにいるからこそできることを全部やろうと思ってます。
それが私がこの町にいる理由です。
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<取材後記>
私は都会育ちでも田舎育ちでもない、中途半端な町育ちですが、
川根本町に来てから「ただそこにいる安心感」のようなものを感じ始めました。
この町の自然が、風景が、人が、ゆったりと流れる時間がそうさせてくれるのかもしれません。
この町にいるからできることを楽しんでいる殿岡さん。
「それがこの町に暮らす理由だ」と断言できる姿はカッコいいし憧れます。
そしてますますこの町や人を知りたくなりました。
「やっぱり町の魅力はそこに暮らす人々の魅力なのだ」と
殿岡さんのお話を聞いて再確認したのでした。
民宿「茶どころ」のHPはコチラ。
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取材日:2011年8月9日
文責:緑のふるさと協力隊 神東美希